サービス生み出したかったらコーディングしろ?
最近新しいサービスを立ち上げて起業したいという若者が増えている。
それ自体がいいことなのか悪いことなのかは判断しがたいが、
そういう若者に対して「そんな妄想してる暇あったらコーディングしろ」という声もよく聞くようになった。
パッと聞いた感じ違和感はないし、
「作るものを知らないで生み出せるわけない」と言いたいのもわかる。
が、この意見の背景に「コーディングしてなんぼ」という意図が含まれている
場合がちらほらあると感じるようになってきた。
それはどうなんだろうか。
元々は「起業したかったら何から始めたらいい?」との問いに対する回答であり
この一種のプログラマ至上説とも言える意見には怖さも覚える。
ここにプログラマが陥ってはいけない落とし穴が隠れているように思える。
プログラマはいくつかのプロジェクトに携わりリリースを繰り返すうちに
自分がサービスを生み出している感覚になってしまう。
プログラマがいないと何もできないじゃないか、と。
プログラマがいないと何もできないのは事実であるが、
それは「プログラマ」であって「あなた」ではない。
つまりプログラマはクリエイターみたいな個性は持てない。
あなたの代わりはいくらでもいるんだよ、が現実である。
と、ただプログラマの存在を否定したいだけじゃないかと思われるかもしれないが、
要は「役割」である。
プログラマには翻訳家のような役割があり、
実現したいことを形にするという場面で最大限の能力を発揮するべきである。
その役割において誇りを持ち、日々努力を怠らないのがあるべき姿なのではないか。
素晴らしいプログラマほどこの「役割」において自分の立ち位置をしっかりわきまえている印象がある。
できないことが何かを知っているから。
この立ち位置がプログラマの個性になるのではないだろうか。
このようなプログラマから安易に「コーディングしてなんぼ」なんていう言葉が出てくるとは思えない。
適材適所という言葉がある。
プログラマができることできないこと、
非プログラマができることできないこと、
をちゃんと見極めた人のアドバイスを聞いていただきたい。
新しいサービスを立ち上げたいからコーディングをばりばり勉強中です!って言う人を見るたびにこんなことを考える。